労働問題Q&A

Q.労働問題は、どのような方法で争われますか?

A. 一般の紛争と同じように、示談交渉、調停、訴訟があります。さらに、労働事件に特有のものとして、このサイトのテーマである労働審判という手続があります。(他のページに概要とポイントを記載していますのでご参照ください。)

Q. 従業員の解雇は、どのような時に許されるのですか?

A. 個々の法律により制限される場合があります(労基法19条など)。
それ以外にも、労働契約法第第16条は、使用者は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないような場合は、労働者を解雇できないとしています。 そして、解雇にあたっては、使用者は少なくとも30日前にその予告をしなければならないとし、30日前に予告しない場合は30日分以上の平均賃金を支払らわなけれならないという義務を課しています。(労基法20条1項)。
   

Q. 労働条件を一方的に変更することは可能ですか?

A.賃金、労働時間、休日等の労働条件は、労使の合意によって決められるのが原則ですから、労働者の同意なく、使用者が一方的に労働条件を切り下げることは許されません(労働契約法第8条参照)。 また、就業規則による場合も、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであることが要求されています(労働契約法第10条参照)。

Q.契約を数回更新した契約社員を、契約更新しないことができますか?

A. 平成24年の改正労働契約法により、次のいずれかに該当する有期労働契約の場合に、使用者 が雇止めをすることが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止め(更新の拒否)が認められませ ん。

[1]過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
[2]労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

Q.会社にも、セクハラ、パワハラの責任が生じますか?

A. セクハラとは、相手方の意に反する性的言動をいい、パワハラは、職場において、 職務上の地位や影響力を行使して、相手方の人格や尊厳を侵害する言動を行う場合で、暴力を振るう、仕事を与えない、退職強要、職場内で孤立させるなどが含まれます。 加害者が不法行為責任(民法第709条)を負うのみならず、使用者(会社)には 使用者責任(民法第715条)の他、働きやすい環境を保つよう配慮する義務に違反したものとして、債務不履行責任(民法第415条)も負担することになります。