労働時間規制の撤廃を検討|弁護士 面川典子

厚生労働省が、働く時間を自由に選べる代わりに、現在、労働労働基準法で原則8時間(週40時間)と定められた労働時間規制を廃止し、働いた時間の長短に関係なく賃金を支払う「ホワイト・エグゼブション」を、高収入で専門性の高い職種に限って導入する方向で検討を開始し、来年の通常国会に労働基準法改正案を提出する方針と報道されています。

各関係者の主張のポイント
・厚労省
対象職種として為替ディーラーやファンドマネジャー、IT分野の専門職などを想定
年収1千万以上等の年収基準を設ける
・産業競争力会議
年収1千万未満でも労使合意で対象を決めることができる制度を提案
・労働組合
実質、すべての労働者を対象とする制度の入り口になることを警戒

日本では、会社の人事権や指揮命令系統が強いため、労働者が自己の裁量で働き方を決められる余地は少ないです。さらに一般的に仕事の範囲が明確でないため、現行の勤務体系のもとに、実質的に残業代がゼロになる制度になってしまう可能性も大きいと考えられます。今後、法改正に向け議論が活発かされてくると思いますので、注視していきます。重要事項については、このサイトで書いて行きます。

 

2014年5月25日 | カテゴリー : 労働 | 投稿者 : 面川典子(弁護士)