厚生労働省は、「平成25年度個別労働紛争解決制度」の施行状況を公表しました。
有効求人倍率等から見るとおり、雇用状況は改善してきていることが解雇の相談の減少につながってきていると思われます。一方で、人手不足に悩む職場も増えており、過重な業務がいじめ・嫌がらせの要因になるケースも増えているように思います。当面この傾向は続くものと予想します。
平成25年度は、前年度に比べて、総合労働相談、助言・指導、あっせんのいずれも件数が減少していますが、民事上の個別労働紛争の相談内容では「いじめ・嫌がらせ」が59,197件と、2年連続で最多となっています。
解雇は、21年度の、69,121件をピークに大幅に減少しています。
【総合労働相談の内訳】
・いじめ、嫌がらせ 59,197件(前年比+14.6%)
・解雇 43,956件(前年比▲14.7%)
・自己都合退職 33,049件(前年比+11.0%)
・労働条件引下げ 30,067件(前年比+11.5%)
【あっせん申請件数】
・解雇 1,614件(前年比▲15.2%)
・いじめ、嫌がらせ 1,474件(前年比+13.6%)
・雇止め 548件(前年比+6.4%)
・労働条件引下げ 546件(前年比+6.0%)
(厚生労働省:平成25年個別労働紛争解決制度施行状況)
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ー個別労働紛争解決制度ー
個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図る制度。
内容は労働条件の引き下げ、解雇、いじめ、嫌がらせ、退職勧奨などが多い。
根拠法:「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」
・総合労働相談
・助言、指導(労働局長による)
・あっせん(紛争調整員会による)
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